昭和DAXから令和DAXへ

DAX125の最大の個性とも言える、胴長でユニークなT字型フレーム。その中心に位置し、バイクの顔とも言えるサイドビューにおいて、純正エンブレムが平坦な「シール」であることに、私たちは実に惜しいと感じていました。

「この印象的なデザインを立体にすることで、DAX125はもっと美しくなるはずだ」
FULNESSが導き出した答えは、シールから「アルミ削り出し」への大胆なアップデートでした。ペイントやシールでは決して表現できない、金属ならではの重厚な立体感と陰影を演出することで、車体全体の存在感をワンランク引き上げます。

アルミ削り出しエンブレム装着時 純正シール装着時
BEFORE (純正シール)
AFTER (アルミ削り出し)
※中央の丸いボタンを左右にスライドして比較できます

常識を覆す「総削り出し」へのこだわり

エンブレムのような装飾部品を製作するにあたり、通常であればABS樹脂やアルミキャスト(鋳造)といった、量産性やコストに優れた製法が選ばれます。サイドカバーの大きなエンブレムを無垢のアルミ材から削り出しで作るとなれば、材料費や加工時間の都合上、普通は社内で即座にNGを食らうほどのコストがかかってしまいます。

ですが、私たちFULNESSのモットーは「自由な発想でカスタムを楽しむ」こと。「これまでありそうだったけど無かった?」という驚きを形にするため、あえて削り出しという製法が面白いと考えました。

バイクをカスタムしていく上で、アルミ削り出しパーツはホイール、トップブリッジ、エンジンカバーなど、車体で目立つ重要な部分に採用される事が多いです。そういった金属パーツで車体をカスタムした際に、エンブレムも同じ質感であることで車体全体の「一体感」が生まれる。これこそが、私たちが削り出しに強く拘った最大の理由です。

立体感のある切削
エッジの効いた立体感のある切削美。

「やんちゃ」な遊び心を添えたリデザイン

デザイン面にもFULNESSならではのエッセンスを注入しています。純正の愛らしいダックスフンドの絵柄も素晴らしいですが、今回はあえてFULNESSなりにリデザイン。ダックスフンドに「サングラス」と「骨」をあしらい、すこしやんちゃなイメージを持たせました。

削り出しという無骨でハードな金属感の中に、クスッと笑えるようなユーモアを織り交ぜることで、大人のカスタマイズとしての『遊び心』を表現しています。ぜひ共感頂けるユーザー様に。

ダックスフンドデザイン
遊び心満載なダックスフンド。細部の表現にもこだわりました。

最大の難関:独特なフレーム形状への追従

企画からデザインまでは順調でしたが、実際の製作にあたり最大のネックとなったのが「車体へのフィッティング」です。
DAX125のフレームは独特な形状をしており、フラットではありません。そのため、アルミ削り出しで作成したエンブレムをピタリと装着するためには、極限まで薄くすることが必要でした。

はじめは、裏側をフレームに沿ったR(曲がり具合)を試みましたが、想像以上のコストにより断念しました。ですが、やはりフレームの曲面に沿って隙間なく貼り付けられる事は譲れませんでした。
固いアルミ削り出しを極限まで薄くする試作を何度も繰り返し、一番厚い箇所で1mmを実現し指で曲げフィッティングする事を実現しました。

エンブレム裏側の湾曲形状
極薄にしてフレームへピッタリフィッティング。