大変ありがたいことに、現在「Monkey 125専用 4スタイル・ハンドルキット」は、私たちの想像を超える反響をいただいております。削り出しの美しい質感、そして「4つのスタイル」から自分好みのポジションを選べるというコンセプトが、多くのオーナー様に支持されていることを開発陣一同、大変嬉しく思っています。

多くのDAXオーナー様から熱いご要望をいただき、私たちは次なる挑戦として、「DAX125専用設計」のハンドルキット開発に着手。いよいよ開発の最終段階へと突入しました。 今回は、製品化に至るまでの裏側や、私たちが直面した「壁」について少しお話しさせてください。

「Monkey用を少し変えれば付く」という幻想

開発の初期段階、率直に言えば「Monkey 125用をベースに少しアレンジを加えれば、DAX用も比較的スムーズに展開できるだろう」という見通しがありました。両車種は兄弟車のような関係性もあり、フロント周りの構造も似ています。

しかし、実際にDAX125の車体を前に3Dスキャンと検証を進めていくと、その考えは甘かったと思い知らされました。 Monkey 125とDAX125では、トップブリッジのオフセット量(フロントフォークとステアリングステムの位置関係)が全く異なっていたのです。

3D CADによる設計画面
ミリ単位での調整が続く、トップブリッジの3Dモデリング画面。

Monkey 125用のトップブリッジを工夫して「流用」して取り付けることも、技術的には可能でした。しかし、それでは「美しく」ない。私たちが理想とする製品としての美学、そしてDAXへの想いだけは妥協できない。そう直感した瞬間、流用ではなく完全専用設計へと舵を切りました。

「DAXオーナーにがっかりして欲しくない」、「パーツを付けることで、愛車への愛着がさらに深まる、そんなパーツでありたい。」

私たちは流用による妥協を一切捨て、Monkey 125トップブリッジのアイコニックなデザインを踏襲しつつ、DAX125のディメンションに合わせた完全なゼロからの専用設計を決断しました。

DAX125トップブリッジの初期デッサン
デザインの原点となる、開発初期のラフデッサン。DAXの骨格に合わせた新たなフォルムの模索。

最大の難関:キーシリンダーとの美しい融合

専用設計を進める中で、私たちを最も悩ませたのが「キーシリンダーの取付方法」です。

DAX125は、キーシリンダーの位置やマウント構造が独特です。ハンドル周りをカスタムする際、このキーシリンダーをどう美しく収めるかが、フロント周りのルックスを左右する最大の鍵となります。
削り出しのソリッドな質感を邪魔せず、かつ純正同様の操作性を確保するため、ブラケットの形状やボルトの配置位置を何度も何度も再設計しました。

「野暮ったくないか?」「品質を妥協せず、かつ現実的な価格帯で提供できるか?」「横から見たときのラインは美しいか?」
3Dプリンタでプロトタイプを出力しては車体に合わせ、少しでも違和感があれば図面に戻る。その地道な繰り返しが続きました。

アルミ無垢材からの削り出し工程
デザインだけでなく、確かな剛性と美しい切削痕にも徹底的にこだわる。

DAXに低いハンドルは合うのか!?

本シリーズのデザインの核となる、4つのスタイルから選べるハンドルキット。しかし、ふと疑問が浮かびます。「本当にDAX125に似合うのか?」

Monkey 125とは違い、DAX125は胴長で独特なフレームデザインでどちらかといえばクルーザータイプ。一見、アップライトなハンドルの方が似合うと思われますよね。

しかし、私たちは声を大にして言いたい。「この胴長な車体だからこそ、低いハンドルが最高に似合う!」と。車体のモチーフであるダックスフンドが、低く構えて走る姿。そのイメージに、ぐっと近づくのではないでしょうか。(笑)

DAX125 低いハンドルの装着例
低いハンドルを装着したDAX125。胴長な車体と低いラインの絶妙なバランスがたまりません。

間もなく、皆様のもとへ

FULNESSのこだわりと意地、そして重なる試行錯誤。そのすべてを詰め込んだDAX125専用「4スタイル・ハンドルキット」。
現在、最終の走行テストを終え量産を行っており、皆様にお披露目できるまであと僅かというところまで来ています。

一つの商品を世に出すまでには多くの困難がありますが、パーツを取り付けた愛車を眺める皆様の姿を想像することが、私たちの原動力です。DAX125の新たな可能性を引き出すこのキットに、ぜひご期待ください。